馬鹿ニヒルな事情なの

楽曲考察とその他雑記

アイカツ!「ダイヤモンドハッピー」考察

ダイヤモンドハッピー わか・ふうり・すなおfrom STAR☆ANIS
作詞:畑亜貴 作曲:石濱翔(MONACA)

 

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ダイヤモンドハッピー 歌詞「わか,ふうり,すなお from STAR☆ANIS」ふりがな付|歌詞検索サイト【UtaTen】

 

編成:

Vo,Gt,Ba,Dr,Tp

 

構成:

A-inter-B-C-D-inter-B-C-D-E-inter(Gt. Solo)-C-D’-outro

 

特徴:

・トランペットが入ることで、

この曲の多幸感や遠くまで飛んでいける感が補強されている。

OPということもあり、ファンファーレ的な景気づけにも一役買っている。


Signalize!では歌っていた神崎美月の不在。

同曲では「神崎美月を追いかける新人アイドル・ソレイユの歌」だったのが、

「一人前のアイドル・ソレイユの歌」になった。


・Aメロの「つかまなきゃね…Hi!!」やアウトロの最後のトランペット等、

二段飛ばしの勢いで駆け上がるメロディが印象的に使われている。

 

ここが聴きどころ!:

Signalize!との比較○


・空の上にあるもののモチーフの扱いについて


Signalize! では、ソレイユが目標とする神崎美月という「月」が「もっと高い空の彼方」にあることを、

「いいえ違うよ/僕の目にも見えた地の果て」と否定するところから始まる。


対してダイヤモンドハッピーは同じく1番冒頭において、

空の上にある太陽をスポットライトとして利用してさらに輝くダイヤモンドを歌う。


「憧れがゴール」という神崎美月ありきの状況から、

「憧れを原動力にして輝く」という自走するソレイユへと変遷しているのである。

だからSignalize!では歌唱メンバーだった神崎美月が、

ダイヤモンドハッピーでは抜けているのである。

 

・世界/現在/奇跡の獲得


Signalize! において「世界」という単語は、

「やがて生まれ変わる世界を/感じる予感の中で/移り変わる世界を/求める旅だね前進だ」のフレーズで二度登場する。

ここにおいて生まれ変わった後の世界は未来形で未知の状態であり、

さらに現在とは違う移り変わる世界を「求める」のだから、

やはりSignalize! において世界は不確定で、変革前の、まだ未到達の状態なのである。


それがダイヤモンドハッピーでは、

「熱く確かな世界動き始めた/そうだ私の世界」という表現で歌われている。

先述した「憧れ」を追いかける対象ではなく原動力として内面化したのと同様、

ソレイユは求める対象だった客体の「世界」を確かなものとし、

「私の世界」を確立させたのである。


また、Signalize! は上述のとおり未来を見ている表現が多いのに対して、

ダイヤモンドハッピーは「いまを逃げちゃダメだよ」や「動き始めた」という表現から、

座標が現在にあると読める。

つまり、「未来へ向かって走る歌」から、

「今まさに走り続けている」という変化を遂げるのである。


加えて、「奇跡」という単語の扱いにも同様のことが起きていて、

Signalize! 2番で「ふるえる程の奇跡を だから今は信じて」と、

これから起きる奇跡を待っていたのが、

ダイヤモンドハッピーにおいては

「無謀な挑戦 駆け抜ける勇気が/生まれてくる…どうしてさ?/きっと奇跡 私たちの奇跡」となっている。

すでに生まれた勇気の理由を、

「私たちの奇跡」とあとから所有格を付けて説明しているのである。

彼女らがそれまでの積み重ねから得られたものを、

Signalize!においてお守りのように信じていた「奇跡」と形容しているのではなかろうか。

 

・「夢」の変遷
Signalize! における「残酷な夢が夢で夢になるんだ」についての分析は、

前回のものを参照されたし。
ダイヤモンドハッピーでの「夢」の扱いを見ると、

「夢は運だけじゃなくて心のチカラ」と「夢は幻想(ファンタジー)じゃないよ希望のチカラ」の二節がある。

すると「夢」の要素は「心のチカラ+運―幻想(ファンタジー)+希望のチカラ」となる。

女児向けにわかりやすくするなら「心と希望で夢に向かって云々」くらいの構造でもいい気がするが、

やはりここでも運否天賦は大事なのだ。

アイカツの、特に星宮いちごの特性を鑑みるのであれば、

単純に運の良さがどうこうという話ではなく、

前を向いてチャンスを掴みに行く姿勢が人脈につながったりして運を呼ぶ、という意味合いなのではないかなと思う。

 

・これはどうでもいいんですが、Eメロの「ぶつかれば開くよ」のフレーズは、

運命のドアを開けていこうという文字通りの意味のほかに、

アイカツシステムでの衣装チェンジを彷彿とさせますね。

小技が効いているなと思いました。